奥鐘橋
トロッコ電車の終点地・欅平駅にある奥鐘橋は、黒部峡谷一の絶景スポット。黒部川本流に架かる長さ86m・高さ34mの朱塗りの橋が、木々の緑の中に美しく浮かび上がる。黒部川と祖母谷(ばばだに)川が合流する地点にあるため視界が開けており、橋の上からは3方向の峡谷美を楽しめる。階段を下りた先にある河原展望台からは、橋を下から眺めることも。祖母谷温泉から引き湯をした足湯があるので、散策で疲れた身体を癒しては。
人喰い岩
奥鐘橋を渡るとすぐ目の前に現れるのは、まるで大きく口を開けた岩が人を飲み込むかのような迫力の人喰い岩。祖母谷川沿いに奥鐘山の岩肌をくり抜いて作られた道で、重力に逆らうかのようにえぐられた岩が歩道を完全に覆っているさまは見応えがある。ここを通る観光客のために落石注意のヘルメットも置いてあり、頭上を覆う岩の圧迫感と深いV字谷へ落ちる急峻な断崖と相まってさらにスリル満点。ぜひ記念写真を納めたいスポット。
名剣橋
さらに緩やかな登り道を歩いて行くともうひとつの朱塗りの橋、名剣橋がある。ここまで来れば名剣温泉までもあとわずか。上流にある祖母谷地獄から温泉を引いており、単純硫黄泉のお湯はつるつるとしたやわらかな肌触りが特徴。優しく硫黄がかおり、小さな湯の花が漂う。峡谷の大自然に囲まれ、天然温泉掛け流しの露天風呂を楽しもう。日帰り入浴やランチもできるが、せっかくなら宿に1泊して山奥の秘湯をゆっくり堪能してみては。
猿飛狭
ぜひ訪れたいのが、黒部峡谷を代表する景勝地である猿飛峡(さるとびきょう)。別名『景雲峡』とも呼ばれている。西日本最大級の岩壁をもつ奥鐘山と共に『特別名勝』『特別天然記念物』に指定されており、2つの称号を取得しているスポットは大変珍しい。名前の由来は黒部川本流で最も川幅が狭く、昔猿が飛び越えて渡っていたからとのこと。荒々しくそびえる花崗岩の岩間をエメラルドグリーンの美しい川が曲がり流れる景色は圧巻。